大阪府藤井寺市 池田医院 内科・胃腸科・循環器科・小児科・皮膚科・糖尿病専門外来・胃がん、大腸がん検診・往診・在宅医療

医療法人 真貴会 池田医院本文へジャンプ
池田医院のよく見られる疾患について
高中性脂肪血症の重要性
中性脂肪とは?
ヒトの生命活動の主要なエネルギ-源は糖分と脂肪です。糖分は、食べ物の中の炭水化物を消化して作られ、短時間でエネルギ-源として消費されます。しかし、その時点で必要のない糖分は、中性脂肪(トリグリセライド)に形を変えて、体脂肪として貯蓄されます。これらはエネルギ-不足の時には脂肪細胞から取り出されてエネルギ-源として利用されます。つまり私たちの体の中にはいざという時の食料倉庫があるのです。しかし飽食の時代といわれる現代では、過食、運動不足、アルコ-ルなどで食料倉庫は満杯となり肥満やそれに伴う病気(糖尿病等)の原因となります。
中性脂肪が高くなるとなぜ危険?
脂質は血液に溶けないのでリポ蛋白という形になって血液中を流れています。リポ蛋白にはLDLやHDLなどがあります。中性脂肪が増えると善玉のHDLが減ってしまいます。また悪玉のLDLが小さくなって、超悪玉になってしまったり、もう一つの悪玉、レムナントも増やしてしまいます。さらに中性脂肪が高いと血液がドロドロ状態となり、血栓ができやすくなり、急性心筋梗塞や突然死を引き起こす危険性が高いことがわかってきました。中性脂肪の高い患者さんは肥満、高血圧、早期の糖尿病、痛風、等の病態を併せ持つケ-スが多くこのような状態はメタボリックシンドロ-ムとして知られています。このような状況になると動脈硬化が進展しやすく、重大な動脈硬化性疾患を起こす可能性が高まります。
糖尿病と中性脂肪の関係
糖尿病で中性脂肪が高くなる理由の一つは糖分が血液中に余っている状態であるため、それだけで原料である糖分がたくさんあるので中性脂肪が高くなります。また脂質のを調整するLPL(リポ蛋白リパ-ゼ)という酵素の働きが糖尿病ではインスリンの作用が低下し十分働かないためVLDLからLDLへと変化するのに時間がかかり、そのため中性脂肪を多く含んでいるVLDLが増加し高中性脂肪血症が併発しやすくなります。食前の血糖値が比較的コントロ-ルされているひとでも食後の血糖コントロ-ルが不十分な場合が少なくなくその場合食後の中性脂肪も高くなりやすいです。また食後に増える中性脂肪はレムナント(残りかす)といわれ、血管障害をきたしやすいといわれています。このように糖尿病では通常の検査で把握できること以外の、脂質の質的な変化も血管障害に大きくかかわっています。
この悪循環をストップさせるために
食事・運動療法等生活習慣の見直しによる改善が期待できます。食生活を見直し、軽い運動の習慣をつけるなどして、自分の健康を守りましょう。投薬に関しても糖尿病では大血管障害、細小血管障害の進行を抑えるのに効果があるというエビデンスがでてきています。フィブラ-ト系の薬、EPAが投与されます。
体によい油とは?(飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸)
脂肪の種類は脂肪に含まれる脂肪酸により大きく分けられています。バタ-のような動物性脂肪は二重結合を持たない飽和脂肪酸を多く含みます。一方、サラダ油、シソ油のような植物性の脂肪は二重結合を持つ不飽和脂肪酸を多く含みます。二重結合を持つ脂肪酸は血中コレステロ-ルを下げる働きをもちます。これまで飽和脂肪酸は健康に悪くリノ-ル酸は健康に良いとされてきました。しかし飽和脂肪酸は人の体内でコレステロ-ルをためにくいオレイン酸に変わるのに対して、リノ-ル酸は最終的にアラキドン酸にかわって動脈硬化や高血圧症の原因になるので、過剰に摂ると問題があることがわかってこました。従って一概にこれがいけないというのではなく、摂り方は比率の問題になります。動物性脂肪は少なくEPA含量の多い魚をしっかりと食べるようにしましょう。オメガ3系不飽和脂肪酸のEPAには血液をサラサラにして、血液を固まりにくくしたり、血液中の脂肪を下げたり、血管をしなやかにするといった多彩な作用が認められます。  

上に戻る
 COPYRIGHT(C) 医療法人真貴会 池田医院 ALL RIGHTS RESERVED.