大阪府藤井寺市 池田医院 内科・胃腸科・循環器科・小児科・皮膚科・糖尿病専門外来・胃がん、大腸がん検診・往診・在宅医療

医療法人 真貴会 池田医院本文へジャンプ
池田医院の糖尿病について
糖尿病は早く見つけて早めに治療
特徴
インスリンの分泌パターン
インスリンの反応
食後高血糖による死亡リスクの増大
糖尿病の進行と合併症の発生
食後血糖値が高いとなぜ注意が必要なのか。
それは糖尿病は食後血糖値の上昇から始まり、しかも食後高血糖は動脈硬化を進行させて死亡リスクを増大させるからです。
診断と治療
治療意義と食後高血糖管理の重要性
三共株式会社資料より
糖尿病の合併症とは (まとめ)
糖尿病はこれまで述べたように高血糖がもたらす合併症が怖い病気と説明してきました。合併症の種類はいろいろありますが、大きく二つのグル-プに分けることができます。一つは 糖尿病でなければ発症しない、「糖尿病の特徴」ともいえる合併症で、高血糖によって体内の細い血管が傷めつけられて起こります。(細小血管障害) もう一つのグル-プは糖尿病があると発病頻度が高くなり、進行も早くなる病気で大血管障害(動脈硬化症)です。動脈硬化症は動脈硬化を促進させる要因(高齢、喫煙、肥満、遺伝的体質)基礎疾患(高血圧、糖尿病、脂質異常症等)が多いほど発病しやすく、かつ進行もはやいということはご存知の通りです。糖尿病の治療目的はこれらの合併症の発病や進行を防ぐことです。糖尿病治療の良し悪しを把握する方法として従来、空腹時の血糖値が重視されてきました。空腹時の血糖値がよければ比較的軽い糖尿病、あるいは治療がうまくいっていると判断できるからです。実際に空腹時の血糖がコントロ-ルされていれば前者の糖尿病に特有な細小血管障害の合併症の頻度はそれほど高くなりません。ところがいままで述べたように空腹時の血糖値がコントロ-ルされている糖尿病患者さんでもまたは糖尿病予備軍の人でも心臓病や脳梗塞が高頻度に起こります。そして近年の研究によるエビデンスより動脈硬化の進行のしやすさは食前の血糖値よりも食後の血糖値と密接な関係があることがわかってきました。このため最近は、空腹時の血糖値を低く保つだけではなく、動脈硬化を防ぐために、食後の血糖値をしっかりコントロ-ルすることが糖尿病治療において重要視されています。
三大合併症の発症率(腎症、網膜症、神経障害) 
血糖値とインスリンの日内変動
2型糖尿病の進展と合併症の発症リスク
高血糖と血管障害の関係
内臓脂肪とインスリン抵抗性
動脈硬化は高血糖や脂質異常症、高血圧などの病気があると急速に進行します。しかもこれらの病気は、1人の患者さんに重なって発病することが少なくありません。この理由は内臓脂肪が過剰に蓄積する(内臓脂肪が多く、おなかが出ている)と、インスリンの働きが鈍くなる「インスリン抵抗性」状態になります。インスリン抵抗性とはインスリンに対する体の感受性が低下していることです。インスリンの分泌は足りているのに高血糖になります。
 
実はこのインスリン抵抗性が高血糖だけでなく、高血圧や脂質異常症の原因になるのです。1人の患者さんに、同時にこれらの病気が重なりやすいのは、そのためです。そんな悪さをする内蔵脂肪とはどんなものなのでしょうか。そもそも脂肪とは余分なエネルギ-を蓄えておく{エネルギ-の貯蔵庫}です。

蓄えられる場所によって2つのタイプに分けられ、皮膚の下に溜まる脂肪が皮下脂肪、内臓の周辺につくのが内臓脂肪です。両者の違いを説明するとき、皮下脂肪はは定期預金、内臓脂肪は普通預金とたとえられます。すなわち皮下脂肪は溜まるのにも消費されるのにも時間がかかる一方、内臓脂肪は溜まるのも消費されるのも早いということです。つまり内臓脂肪は変化に富んだ活動的な組織ということです。最近になって内臓脂肪からホルモン活性を持った様々な物質が分泌されて、血糖や血清脂質に変化をもたらしたり、血管壁に作用したりすることがわかってきました。糖尿病の関係に的を絞ってみると、インスリンが食後タイミングよくでずにむしろ遅れて多めに出る”軽い糖尿病”の場合、内臓脂肪の蓄積が問題となります。しばしば食べ始めから1~2時間の血糖値が特に高くなります。だからこそ、動脈硬化の進行を防ぐために食後高血糖のコントロ-ルが大切なのです。治療法についてインスリン抵抗性やそれによる食後高血糖、脂質異常症、高血圧を改善にはすべてのおおもとの原因である余分な内臓脂肪を減らすのが一番ということはもうおわかりですね。食事・運動療法が2本柱(生活習慣の改善)で、それでコントロ-ルがうまくいかない場合は薬物療法も考慮されます。
ホームペ-ジのメタボリックシンドロームのところも参照してください。
インスリン抵抗性と内臓脂肪
危険性
食後高血糖の管理だけではなく並存する高血圧、高脂血症もしっかり治療して喫煙をやめて【継続治療】が重要です。
軽症糖尿病の薬物療法(基本的な考え方)
高血糖の原因からみた治療の考え方;これまで述べてきたように高血糖の原因はⅡ型糖尿病の場合は
①インスリンの分泌量が少ない。
②インスリン抵抗性(インスリンは十分に分泌されているが、うまく作用が発揮されない。)
③インスリン追加分泌のタイミングが遅い。(食後追加インスリン分泌の遅延)が考えられます。

食事・運動療法にて十分に良好なコントロ-ルが得られない場合は、糖尿病の薬にはいろいろタイプがありますがそれぞれ患者さんの病態(原因)に合わせて使い分けることが必要です。下のイラストを用いてわかりやすく説明することとします。天秤の右側ではインスリンが血糖値を下げようとしています。それに対抗してインスリン抵抗性がお皿の下で踏んばっています。
①を改善する薬は天秤の右側の重りを増やすもの、②を改善する薬はインスリン抵抗性取り除いてインスリンの作用を助ける薬と考えて下さい。以上の2つの薬はいずれも天秤の右側に作用する薬ですが、③に対応する薬は、天秤の右側に作用する薬(インスリンをすばやく出す薬)と左側に作用する薬があります。このタイプの薬は天秤の左側のお皿にゆっくり重りを載せるように作用します。(糖類等の消化吸収を遅らせて食後血糖の上昇を抑える。)それによって高血糖の原因③をカバ-し天秤のバランスが崩れないようにしてくれます。 
糖尿病の病型と薬物療法
軽症糖尿病、特に初期には食後高血糖だけが目立ち、その食後高血糖をコントロ-ルすることが、糖尿病の悪化や動脈硬化の進行を防ぐために重要ということをお話しました。そのために食事・運動療法をしっかりするのですが、それだけでは食後高血糖が十分に改善しないときには「食後高血糖改善薬」と言われタイプの薬がよく処方されます。糖尿病病型と現在使われる治療薬の概要も示しました。
α-グルコシダ-ゼ阻害薬
小腸でのブドウ糖の吸収を遅らせて食後の高血糖を改善します。天秤の③に相当します。作用は下図も参照してください。食後の血糖値が高い人に単独処方または他の糖尿病の薬で空腹時血糖下がっているのに食後高血糖の改善が不十分な人に併用して処方されます。副作用として消化吸収が遅くなる分、おならが出やすくなる、おなかが緩くなる、いうことがあります。これらの消化器症状は飲み続けることで軽くなることが多いです。食直前服用します。単独では低血糖はまずありません。
上記でお話した食後高血糖改善薬は、服用後の短時間だけ作用する薬でした。空腹時(食前)血糖値も高い場合には、その薬だけでは間に合いません。そこで、食事に関係なく1日の血糖値を全体的下げる薬が必要になります。
スルホニル尿素薬(SU薬)
インスリンを分泌する膵臓に働いて、インスリンの分泌をよくし、血糖値を下げます。日本人のⅡ型糖尿病の70~80%はインスリン分泌が不足しているため糖尿病のの薬のなかでは現在最もよく使われています。1日1回から3回朝昼夕の食前に投与されることが多い薬です。天秤イラストでいえば、右のお皿に重りを載せるように
作用します。血糖値を下げる強さの異なるいろいろな種類のSU薬があります。高血糖の原因がインスリン分泌量の減少と考えられる人に処方されます。インスリンを
分泌を促す薬なので、低血糖が起こり得ます。他の糖尿病の薬に比べて血糖を下げる作用が強く低血糖の注意が必要です。インスリンの分泌量が増え血糖の利用効率が高まるため食事療法をしっかり続けないと体重が増えやすくなります。
インスリン抵抗性改善薬
チアゾリジン薬
脂肪や筋肉でのインスリンの働きをよくし、ブドウ糖を細胞内に入りやすくすることで、エネルギ-としての利用を高めて、血糖値をさげます。
天秤イラストでは右側の下で踏ん張っているのがインスリン抵抗性ですが、この薬はこのインスリン抵抗性を取り除くように作用します。
インスリン抵抗性のおもな原因は内臓脂肪の過剰な蓄積です。そのためこの薬は肥満や過体重でインスリン抵抗性が強い人に処方されます。
むくみやそれによる体重増加があり女性に多い副作用です。インスリン分泌を増やさないので、単独では低血糖は少ないです。
ビグアナイド薬(BG薬)
肝臓から血液中へブドウ糖が出て行くのを抑えたり、筋肉にブドウ糖が入りやすくする作用があります。SU薬の効かない人肥満のある人に処方されます。かつて同系統の薬で乳酸アシド-シスの重症の副作用の報告がありました。この薬ではまれです。単独では低血糖なく、他消化器系副作用嘔気・下痢がありこのような症状のときは服薬を中止し診察を受けてください。
インクレチン関連薬(DPP-4阻害薬)
詳細は糖尿病とインクレチンの項を参照して下さい。
糖尿病薬合剤
ビグアナイドとチアゾリジンの配合薬も発売されています。(インスリン抵抗性改善薬の合剤)服薬のコンプライアンスの改善と経済的なメリットが期待されます。









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