大阪府藤井寺市 池田医院 内科・胃腸科・循環器科・小児科・皮膚科・糖尿病専門外来・胃がん、大腸がん検診・往診・在宅医療

医療法人 真貴会 池田医院本文へジャンプ
池田医院の糖尿病について
高齢者糖尿病患者と認知症
最近高齢の糖尿病患者の増加があり、家族と同居されている方、独居の方もおられます。加齢に伴うフレイルを有する方もおられます。
今回はフレイルに伴いやすい認知症について高齢の糖尿病患者での問題点とその対応策などについて冊子より引用させていただきます。
認知症とは病気ではなく、状態を示します。その定義は(一度正常に達した認知機能が後天的な脳障害によって持続的に低下し、日常生活や社会生活に支障をきたす状態)と定義されます。
認知症には原因と成る様々な種類があり、代表的なものにアルツハイマ-型,レビ-小体型、血管性,その他内分泌、免疫疾患の原因もあります。
認知症の症状は多彩で、下図に示す通りです。
これらの症状に加えて、もともとご本人が持っている性格の傾向、心理状態、環境に関連して現れる症状もあり、(認知症の周辺症状BPSD)と呼びます。
認知症の初期には忘れてしまった。できなくなったことを認識しており、その事実に自分のプライドが傷つくことも少なくなく、認知症の人に接するときは、それらが病気により生じている状態であることを理解する事が大事です。
 
 
糖尿病患者が認知症になったときの問題点
 糖尿病患者が認知症になると、徐々に治療の継続が困難になり、服薬管理もできなくなります。経口薬であれば、指示通り服用せずまた過剰に服用することもあります。認知症状が進行してくると、インスリンの注射の場合にも打ち忘れたり、過剰に打ったり、ご本人が継続することが難しくなります。認知症によって打ち方がわからなるというだけでなく、手指の動きが悪くなってきたり、目盛りが見えにくいなどの加齢的な要因も少なからずあり、その見極めが大切です。

経口薬インスリンの場合(独居)  
1)薬の一包化、
2)薬カレンダ-使用する。
3)ウイクリ-製剤を使用する。
4)インスリンデバイスを使用しやすいものへ変更する。
困難な場合  
5)訪問看護,デイサ-ビスのサポ-トで管理してもらう。 
  家族と同居の場合、、、キ-パ-ソン(主として介護している人)と緊密に連絡して投薬管理
  をお願いする。

食事療法
これもそれまでのように進められなくなることが多く、規則正しく食事ができがたくなり、薬物療法、特にインスリン療法を難しくします。独居の人は特に栄養管理がむつかしく、介護サ-ビスの強化、弁当を確保するなどありますが、現実的には施設入所などが余儀なくされるケ-スが多いと言わざるを得ません。キーパ-ソンがいる場合は介護のサ-ビスを利用して、各業種(看護、栄養士、薬剤師、ケアマネ-ジャ-、ホ-ムヘルプ、施設)の連携で何とか乗り切ってきたこともありますが、キ-パ-ソンの疲労もあり、施設入所に至ることもあります。

いつも受診している高齢患者の認知症の可能性をどうキャッチするのか?
認知症は進行のステ-ジがあり、中等度ぐらいになると、一人で日常生活ができがたくなり、またBPSDも現れてくるので比較的発見しやすいですが、初期のごく軽度の場合は見逃されがちです。
早期に認知症を発見出来ればその進行を遅らせるケ-スもあり、早期発見が重要と考えられます。認知症のスクリ-ニングに用いる長谷川式テストはごく軽度の人に実施すると私はそんなにぼけていないと怒る場合もあるので、むしろ医療スタッフがむしろ以前とちょっと違う小さな変化(サイン)を感じ取ることが患者さんの負担を緩和し、効果的ではないかと思います。
御本人は今までできていたことが出来なくなったり、忘れてしまうということで自分のプライドが傷ついていることが少なくありません。以前から長くその患者と接してきた医療者が認知症の早期発見に大きな力を発揮することこそその患者さんにとって好ましいことと考えます。
本内科でよく経験するエピソ-ドをいくつか紹介します。
検査日の予約の日をよく間違える。残っている薬がだいぶ多くなってきた。昨日の夕食のメニュ-を聞いたときに何か家族の人にヒントをもらいそうだったと思い出せれば病的よな記憶障害ではなさそうですが、食べた記憶自体が抜け落ちている。会計の時以前は硬貨で金額をきっちり払っていたが、最近は大きなお札を出すようになった。
このようなことがあり、以前と違うことがあれば、医療スタッフで情報を共有して医師のところに伝えてもらいます。このような場合認知症専門の医療機関へ直接的に紹介するというと抵抗感を強く持つ可能性が多いので糖尿病があると脳の血管が詰まったりする事が多いので検診のつもりで専門の先生のところで診てもらいませんかとソフトに促すようにします。
またケアマネ-ジャ-とも情報交換します。また家族への配慮も大切です。なぜなら家族が認知症になったことを受け入れられない方もいらっしゃるからです。
 
患者さんの行動や会話から知る認知症のチェックシ-ト(Tcareより引用)   
家族が作った認知症早期発見のめやす。

上に戻る
 COPYRIGHT(C) 医療法人真貴会 池田医院 ALL RIGHTS RESERVED.